軽スタ事件

裁判所 知財高裁
判決日 2017年10月26日
事件名 軽スタ事件
キーワード 商標類否判断
着目点 「軽スタ」は、「軽スタジオ」の「ジオ」部分を省略しているものであると認識するものとは認められないとして、両者は非類似であるとした例
事件番号 平成29年(行ケ)10128号
判決のポイント

争点

「軽スタ」と「軽スタジオ」は、類似するか。

裁判所の判断

原告は,「スタ」の文字が「○○スタ」,「スタ○○」といった形で他の言葉と組み合わされて用いられるときには,「○○スタジオ」,「スタジオ○○」など,「スタ」部分が「スタジオ」という外来語の「ジオ」を省略したものとして用いられる例が多数存在するから,本件指定役務の需要者において,本件商標の「軽スタ」との語全体が,「軽スタジオ」の「ジオ」部分を省略しているものであると認識されるなどと主張する。

しかし,原告が「○○スタ」,「スタ○○」の例として指摘する「おはスタ」(甲5の1・2)は放送局の放送室,「さがスタ」(甲6)と「スタねっと」(甲7)は音楽の録音室・練習室,「オースタ」(甲8)はコスプレスタジオの意味で,「スタジオ」を「スタ」と略称しているものであり,いずれも,「スタジオ」という単語を前記3で認定した本来の語義に従って用いている例にすぎず,本件商標の指定役務である自動車及びその部品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供という,「スタジオ」の語の本来の語義とは直ちに結びつかない場面において,「○○スタ」,「スタ○○」を「○○スタジオ」,「スタジオ○○」の略称として用いている例ではない。

・・・

そうすると,本件商標の指定役務(自動車及びその部品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供)の需要者が,本件商標「軽スタ」に接した場合に,「軽スタジオ」の「ジオ」部分を省略しているものであると認識するものとは認められない。

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