コンタクトレンズ用装着点眼薬事件
裁判所 | 知財高裁 |
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判決日 | 2017年08月29日 |
事件名 | コンタクトレンズ用装着点眼薬 |
キーワード | |
着目点 | 医薬品の承認基準の分類として区別されていることは、2つの組成物が、直ちに別物であるとの認識にはつながらないと判断した例 |
事件番号 | 平成28年(行ケ)10162号 |
判決のポイント
争点
同一の組成でコンタクトレンズ装着液及びコンタクトレンズ装用中の点眼薬の両方の用途に用いられる眼科用組成物は、出願前周知であったか。
裁判所の判断(抜粋)
(イ) 原告は,コンタクトレンズ装着液とコンタクトレンズ装用中の点眼液とが,医薬品の承認基準の分類として区別されていること(甲25),本願優先日前に,同一の組成で装着・点眼の両方の用途に用いられる製品が存在していなかったことなどから,コンタクトレンズ装着液とコンタクトレンズ装用中の点眼液とは,別物であると認識されていたと主張する。 しかし,コンタクトレンズ装着液は滴下する対象がコンタクトレンズであるのに対し,コンタクトレンズ装用中の点眼液は滴下する対象が生体である眼であることなどから,医薬品の承認基準としては別に分類されているとも考えられる。したがって,医薬品の承認基準の分類や,本願優先日の当時の製品化の実情から,直ちに,本願優先日当時の当業者が,自然法則を利用した技術的思想の創作という観点において,コンタクトレンズ装着液とコンタクトレンズ装用中の点眼液とが,別物であると認識していたということはできない。