盗難防止タグ事件
裁判所 | 知財高裁 |
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判決日 | 2017年10月03日 |
事件名 | 盗難防止タグ事件 |
キーワード | |
着目点 | 主引用発明に副引用発明を適用するに当たり、副引用発明の構成を変更することは、通常容易なものではないと判断された例 |
事件番号 | 平成28年(行ケ)10265号 |
判決のポイント
争点
引用発明Aに、周知技術を考慮して変更した引用例3事項を適用することは容易想到といえるか。
裁判所の判断(抜粋)
オ 本件審決の判断について
(イ)本件審決は,引用発明Aに引用例3事項を適用するに当たり,周知技術を考慮して変更した引用例3事項を適用することによって,本件訂正発明8を容易に想到することができるとするものである。
しかしながら,前記エのとおり,引用発明Aに引用例3事項を適用しても,相違点2に係る本件訂正発明8の構成に至らないところ,さらに周知技術を考慮して引用例3事項を変更することには格別の努力が必要であるし,後記(ウ)のとおり,引用例3事項を適用するに当たり,これを変更する動機付けも認められない。主引用発明に副引用発明を適用するに当たり,当該副引用発明の構成を変更することは,通常容易なものではなく,仮にそのように容易想到性を判断する際には,副引用発明の構成を変更することの動機付けについて慎重に検討すべきであるから,本件審決の上記判断は,直ちに採用できるものではない。
(ウ)引用例3事項の変更について
・・・このように,引用発明Aにも引用例3にも,審決認定周知技術を適用する示唆はないから,仮に審決認定周知技術が認められたとしても,引用発明Aに引用例3事項を適用するに当たり,審決認定周知技術を前提に,引用例3事項の構成を変更しようとは考えないというべきである。