ドメイン名(WYNN)事件

裁判所 知財高裁
判決日 2017年09月27日
事件名 ドメイン名(WYNN)事件
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着目点 不正競争防止法2条1項13号は、混同を要件とするものではないから、誤認混同の有無にかかわらず、「不正の利益を得る目的」があったと認定した例
事件番号 平成29年(ネ)10051号

判決のポイント

争点

ドメイン名「WYNN.CO.JP」を取得、使用することは、(米)ウィンリゾート社が使用する「Wynn」との関係で、不正競争行為に該当するか。

裁判所の判断

2 当審における控訴人の主張に対する判断

控訴人は,当審において,「Wynn」を店名に使用した経緯を明らかにした上で,「Wynn」にはそもそも周知性がなく,控訴人は店名に「Wynn」を使用することで被控訴人の営業と誤認混同を生じさせた事実がないにもかかわらず,本件ドメイン名を使用するに当たって不正競争防止法2条1項13号にいう「不正の利益を得る目的」があったと認定した原審の判断には誤りがあるなどと主張する。

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また,不正競争防止法2条1項13号は,同項1号とは異なり,混同を生じさせることを要件とするものではないから,仮に控訴人が店名に「Wynn」を使用することで被控訴人の営業と誤認混同を生じさせた事実がないとしても,前記判断を左右するものではない。かえって,上記のとおり,控訴人が「Wynn」を店名に使用した経緯を明らかにしたところによれば,控訴人代表者は,「ウィン・ラスベガス」に宿泊して接した「Wynn ロゴマーク」を気に入ったことから,これとほぼ同一の控訴人標章を作成したことが認められるのであって,このような認定事実によれば,控訴人店舗の店名につき,客層が相応に高いクラブに相応しい高級感のあるものにするために,自ら宿泊して体験した「ウィン・ラスベガス」の「Wynn ロゴマーク」に係るブランドの高級感を不当に利用して,控訴人標章を作成するとともに本件ドメイン名を使用したことは明らかである。