光学情報読取装置事件
裁判所 | 東京地裁 |
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判決日 | 2018年01月30日 |
事件名 | 光学情報読取装置事件 |
キーワード | |
着目点 | 本件明細書に「所定値」に関する具体的な記載がないことをもって、「所定値以上」となることが設計事項と判断された例 |
事件番号 | 平成28年(ワ)32038号 |
判決のポイント
争点
「前記光学的センサの中心部に位置する受光素子からの出力に対する前記光学的センサの周辺部に位置する受光素子からの出力の比が所定値以上となるように,前記射出瞳位置を設定して,露光時間などの調整で,中心部においても周辺部においても読取が可能となるようにしている」という相違点の容易想到性
裁判所の判断
もっとも,本件明細書には,「所定値」に関する具体的な記載がないことによれば,本件発明においては,構成要件Gの「所定値」自体に技術的ないし限界的な意味はなく,上記の出力の比のほか,照射光の光量,露光時間などの調整等の結果として,中心部と周辺部のいずれにおいても適切な読取りができるとの目的が達成できればよいものにすぎないと解すべきである(なお,原告自身も,構成要件Gの「所定値以上」とは,ある「特定の値以上」を示すのではなく,「本件発明の効果が得られる所定レベル以上」であればよいと主張している。)。
また,前記1で検討した本件発明の内容を前提とすると,光学的センサの中心部に位置する受光素子からの出力に対する前記光学的センサの周辺部に位置する受光素子からの出力の比が「所定値以上」となることは,本件発明の構成要件Fに係る構成(相違点1に係る構成)を採用し,かつ,適切な読み取りを実現するように絞りの配置を行えば,当然に充たされることにすぎない。