白砂青松事件
裁判所 | 東京地裁 |
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判決日 | 2018年04月27日 |
事件名 | 白砂青松事件 |
キーワード | |
着目点 | 原告の出願前より使用していた標章について、周知ではなかったとして先使用権が認められなかった例 |
事件番号 | 平成29年(ワ)9779号 |
判決のポイント
争 点
先使用権の有無について
裁判所の判断
(2) 被告は,新聞や雑誌に被告商品が紹介されたことなどをもって,被告標章は原告商標の登録出願時に周知であったと主張する。
しかし,被告商品の販売開始(平成11年10月)から原告商標の登録出願時(平成18年4月)までの間に被告商品が新聞,雑誌等で取り上げられたのは合計4回にすぎず,これをもって,原告商標の登録出願時において被告標章が周知であったと認めることはできない(なお,被告商品が日本を代表する商材500の一つに選定されたのは原告商標の出願後である。)。
また,被告は,そのホームページ上に被告商品を掲載し,広報を行ったとも主張するが,前記のとおり,被告がホームページを開設した時期を客観的に示す証拠はなく,仮に,その開始時期が原告商標の登録出願前であったとしても,ホームページ上に商品を掲載したことから直ちに被告標章が同時点において周知であったと認めることはできない。
(3) 以上によれば,被告標章は,原告商標の登録出願時において,茨城県及びその周辺地域の需要者の間で広く知られていたということはできない。したがって,先使用権が認められるためには一定地域内で広く知られていれば足りるとの被告の主張を前提としても,被告が先使用権を有すると認めることはできない。