KCP事件
裁判所 | 東京地裁 |
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判決日 | 2018年06月28日 |
事件名 | KCP事件 |
キーワード | |
着目点 | KCP社の日本進出の計画を知って行った商標登録出願につき、不正の目的が認められた例 |
事件番号 | 平成29年(ワ)12058号 |
判決のポイント
争点
商標法4条1項19号の該当性
裁判所の判断
ウ 不正の目的
上記 で認定した各事実によれば,原告代表者は,①平成24年12月から平成27年1月頃まで,日本国内においてKCP社の製品であるコンクリートポンプ車等を宣伝・販売していたこと(上記 イ ),②平成27年1月頃,KCP社が日本への進出を計画し,被告Yが日本国内のコンクリート圧送業者への営業活動を行っていることを知ると,直ちにKCP社商標と同一又は類似の本件商標につき登録出願を行ったこと(同エ 及びオ ),③同登録出願後,本件商標につき登録査定がされる以前である同年4月頃,KCP社に対し,本件商標を無償で譲渡等することはできない旨述べたこと(同 ,④同様に同登録出願後,登録査定以前である同年5月28日,被告Yに対し,日本における営業活動をしないように求めるとともに,これをKCP社に報告するように求め,本件商標の使用には原告の日本におけるこれまでの営業活動に対する見返りが必要である旨の発言をしたこと(同オ,⑤同様に同登録出願後,登録査定以前である同年5月29日頃,原告以外の販売店等がKCP社商標の付されたコンクリートポンプ車を販売することが商標権侵害に当たることを警告するパンフレットを作成・配布したこと(同 ,⑥本件商標の登録後間もない同年8月12日,KCPジャパン社及び被告会社に対し,KCP社商標の使用
停止と削除を求める文書を送付したこと(同 が認められる。 これらの事実からすれば,原告代表者は,KCP社が日本に進出しようとしていることを知ると,未だKCP社商標が商標登録されていないことを奇貨として,同社の日本国内参入を阻止・困難にするとともに,同社に対し本件商標を買い取らせ,あるいは原告との販売代理店契約の締結を強制するなどの不正の目的のために,KCP社商標と同一又は類似する本件商標を登録出願し,設定登録を受けたものと推認せざるを得ない。
したがって,原告は,「不正の目的」をもって本件商標を使用するものと認めることができる。