浄水器交換カートリッジ事件

裁判所 東京地裁
判決日 2019年04月26日
事件名 浄水器交換カートリッジ事件
キーワード

>

着目点 浄水器に取り付け可能な交換カートリッジの販売にあたって、浄水器のメーカー名を記載したことが品質誤認表示にあたるか判断された例
事件番号 平成29年(ワ)19266号

判決のポイント

争 点

「タカギ社製

浄水蛇口の交換用カートリッジを

お探しの皆様へ」

は、品質誤認表示に該当するか。

 

裁判所の判断

(1) 被告表示1について

被告表示1は,「タカギ社製」「浄水蛇口の交換用カートリッジを」「お探しの皆様へ」との記載を三行に分けて配置しているものであるが,同各記載を全体として読めば,「タカギ社製」という文言は「浄水蛇口」を修飾し,全体として,「タカギ社製の浄水蛇口に適合する交換用カートリッジを探している皆様へ」という趣旨であると理解するのが自然である。

また,本件各ウェブページの記載全体をみても,同ウェブページにおいて販売されている交換用カートリッジがタカギ社製又は同社製と同等の品質を有することをうかがわせる記載は存在せず,かえって,同ウェブページを下方にスクロールすると,「ご購入の前にお読みいただき,ご了承のうえお買い求めください」との注意書きがあり,その枠内には「当社製品はタカギ社純正品ではございません。標準タイプ・高除去タイプという当社製品グレード名,互換との表現は,タカギ社製品と同一性能を示すものではございません。」との打消し表示が存在し,さらにその下にも「※当製品はメーカー純正品ではございません。」などと記載されている(甲1~7)。同表示又は記載に接した需要者は,被告各ウェブページで販売されている被告各商品が原告の商品ではないことを認識し得たというべきである。

したがって,被告表示1についての原告の主張は理由がない。