ざんまい事件

裁判所 知財高裁
判決日 2021年04月14日
事件名 ざんまい事件
キーワード

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着目点 「ざんまい」は、著名な「すしざんまい」チェーン店と出所の混同を生じるとされた例
事件番号 令和2年(行ケ)10107号

判決のポイント

対象商標

使用商標

   すしざんまい(標準文字)

争 点

出所の混同を生じるか。

 

裁判所の判断

イ 以上のとおり,①「すしざんまい」の表示は,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,被告が店舗展開する「すしざんまい」チェーン店の名称として,需要者である一般消費者の間に広く認識され,被告の業務に係る「すしを主とする飲食物の提供」を表示するものとして,著名であったこと(前記2(2)ア),②本件商標と引用商標1の要部である「すしざんまい」の文字部分及び引用商標2から,いずれも被告が店舗展開する「すしざんまい」チェーン店を想起し,その名称としての「すしざんまい」の観念を生じる点で共通すること(前記ア(ウ)),③本件商標の指定商品である「すし」と被告の業務に係る役務である「すしを主とする飲食物の提供」は,需要者が一般消費者である点で共通し(前記2⑴ア),販売の対象となる商品又は提供の対象となる商品がいずれも「すし」である点で共通することを総合考慮すると,本件商標をその指定商品の「すし」に使用するときは,その取引者,需要者において,被告が店舗展開する「すしざんまい」チェーン店の名称として著名な「すしざんまい」の表示を想起し,当該商品を被告又は被告と緊密な営業上の関係又は同一の表示による商品化事業を営むグループに属する関係にある営業主の業務に係る商品であるかのように,その出所について混同を生ずるおそれがあるものと認められる。

したがって,本件商標は,引用商標1及び2との関係において,商標法4条1項15号に該当するものと認められる。